これまでの四枚は、リスナーがどのような状況で耳にしたとしても景色に馴染むよう意識的に作っていましたが、このアルバムはきっと夜が似合う。朝は似合わない。
登校や出勤時に聞いたらなんとなく気分が沈むと思いますが、まぁそうそう70分の通勤路はないだろうから、大人しく家でゆっくり聞くか、深夜に徘徊しながら聞いてください。
お願いですから、初めて聞く時は1曲目から最後まで聞いてください。聞けないほど時間に追われている時は諦めて家でゆっくり聞くか、深夜に徘徊しながら聞いてください。
僕のアルバムはシャッフル再生や単曲再生に向かないのです。文脈を無視してバラバラに聞いてしまうととても恐ろしいことになります。そもそも忙しいのならば僕の音楽は聞かない筈だから。
所感というか仕様書のようになってしまいましたが、一応現時点でどういったアルバムなのかを書いていこうと思います。
それはそうと、なぜ今回のアルバムはこうも曲数が多いのでしょう。これは長くなきゃダメなんです。紛うことなき、「ファスト化」に対しての逆張り精神でして、全貌を掴むのにあえて時間を使わせています。時間を使え。次のアルバムははてさていつになるか分かりませんからね、一生分ということで。
本来、既出の「間喰う塔」「忘却とは」はこのアルバムの、この曲順でないと本来の力を発揮しないのです(「atrium/L」は勿体ないから入れただけだけど)。僕はいつだってアルバム主体で音楽を作っていますし、アルバムを宣伝するために表に出て唄を唄うほどです。
『友と敵』の収録曲がいつから作られているかというと、2019年8月です。『EYЯHKA』発売前に作り始めている曲も入っていたりしますが、最近の曲でいえば2023年6月時点で書き始めている曲も入ります。4年も放っておいた化石を引っ張り出して新しく歌詞をつけてやったりしています。
あぁ、テーマ。「分断した物語は加速し」です。取ってつけたようですが、まさに『友と敵』にぴったりだと思いやしませんか、こういうことをやるヤツはあんまり信用しない方がいい。
面子はいつものコマツコウタロウと武田元気のアンサンブルなので、安心してお聞きいただけると思いきや、今回のアルバムは好みが分かれる気がしてなりません。アレやら、コレやら抜けばみんなだいすきだよ多分。でもみんなだいすきなの苦手でしょ、僕はなんでもだいすきだよ。
さて、梯子を外しすぎたところで、7月15日 (土)から収録曲を8曲に絞って毎週1曲ずつなんか喋る「放送網出張版」をお届けする予定です。
CDも予約開始間近ですんで、なんとか。
じゃあ近いうちに。